ディア鶴瓶
ディア・ドクター 270本目 2009-30
上映時間 2時間7分
監督 西川美和
出演 笑福亭鶴瓶  瑛太  八千草薫  余貴美子  井川遥  松重豊  岩松了  笹野高史  中村勘三郎  香川照之
会場 新宿武蔵野館


評価 7点(10点満点)

 あの「ゆれる」の西川監督のオリジナル脚本作品の第3弾。

 
 主演が鶴瓶さんだろうが、西川監督作品に変わりはあらず。今回も人間の深い深層心理を描いている。人気小説、漫画をなんでもかんでも実写化するこのご時勢、原作、脚本、監督全てをつとめ、この内容は素晴らしい。

 ただ、「ゆれる」が傑作すぎるので、「ゆれる」並みの期待は禁物。


ポッチットナ
 私が邦画を見る基準として、監督で無条件に鑑賞するのが三木監督、押井監督、なんだかんだで宮崎監督、そしてこの西川監督。「蛇とイチゴ」は結局まだ見てないんですが、「ゆれる」1作でファンになってしまいました。


 今回も西川監督の恐怖とは違った怖さが映像から滲み出てきます。当初は「えー、主演が鶴瓶さん?」と少々悩みました。別に鶴瓶さんが嫌いなわけじゃないんですが(たまに親が見てる「家族に乾杯」見てます)、西川監督の作品には合わないんじゃないかと思うわけですし、そもそも鶴瓶さんの役者としての姿を多分見たことがない。


 しかし、蓋を開ければ何も問題なし。むしろハマリ役です。そしてなにより余さん。「おくりびと」は見てないんですが、評判通りの演技力でした。

 でも、まさか三木監督作品でお馴染みの岩松さんが出演してるとはね。岩松さんは私の中では、すっかり面白いおじさんなので、逆に鶴瓶さんよりこの作品にはあってない感じがしました。相方の松重さんも「インスタント沼」に出演してたしなー。

 香川さんは、すっかり西川作品のお馴染みになったようで。



 小さな村を支える医者が実は無免許。そういえば、こんな話手塚先生の「ブラック・ジャック」にもあったなーと思いました。最後はブラック・ジャックと一緒に重病患者の手術を成功させ、ちゃんと資格を取ろうと勉強し始めて終わりで、特にポリス沙汰にはならず、ハッピーエンドなんですけどね。


 こちらの先生は、単に医者に憧れて医師免許を偽造するのではなく、心から村を救いたいと思う素晴らしい人物です。でも、リアリティでいえばこの作品の方がありますね。医者とはいえ、重病患者が滅多にでない田舎の村で、年収2000万円ってそりゃーねー。

 なんだかんだでちゃんと勉強するあたり、悪い人じゃないんですけどね。


 私はこの嘘、別に罪じゃないと思います。本物医者でだって、ダメな人はいますし、単なる憧れだけ人名を取り扱う医者になりすまそうなんて、普通はできません。(やったら犯罪なんですけど)実際救っているわけだし。この嘘はばれなければいいといかいう悪い嘘ではなく、嘘で人の命を救っている良い嘘です。


 ただ、途中で逃げるのはいかがなものか。ラストも結局捕まらず、また病院に潜り込んでる、で終わってしまいなんだか微妙な感じなのも残念。